2012/02/11,12 Univers Zero @吉祥寺Star Pine’s Cafe

ベルギーのチェンバーロックUnivers Zeroの奇跡の来日公演を見てきました。
2/11、2/12の昼、夜の3公演で、最初は夜の部2回を見ようと思ってたのですが、初日のあまりの内容にちょっと感動して2日目の昼も当日券で見てきてしまいました。

まずUnivers ZeroについてはSMASHのサイトでも見てもらえば良いと思うのですが、プログレスキーにはいわずと知れたバンドで「チェンバーロック」って言葉はこの人たちの音楽を説明するためにあるようなモノかも。
個人的にはその昔、15年くらい前に御茶ノ水のジャニスで「Uzed」を借りて聴いて以来ずっと好きなバンドで、1997年くらいに再結成してからずーっと「来日しないかなーでも無理だよなー」など思ってたのですが…奇跡の来日と言っても良いと思われます。

とりあえず生で見たメンバーの印象など。

Daniel Denis (drums)
Univers Zeroのリーダー。
1996年くらいだったか、厳寒の神奈川県民ホールでArt Zoydの公演(ホールの壁に無声映画を映し、それに合わせてArt
Zoydが演奏するイベント)で一度だけ遠くの方から見たことが有ります。その時は屋外で死ぬほど寒かったけど。
右手側にバスドラくらいのサイズの大きなタムが斜めにセットされていて、普通のドラムセットからは聴こえてこない「ボワワーン」という重い音が。あと後ろにはデカイ銅鑼。あと、3日目の夜に気付いたのですが、左手のスティックはほぼ常にグリップ側でバキバキ叩いていました。
スタジオ盤のカッチリした演奏とは対照的に、ライブではダイナミックな演奏。MAGMAのChristian Vanderを感じる部分も多かったです。
ちなみに2日目の昼と夜の間で、ディスクユニオン吉祥寺店で買い物をするDenisさんを目撃してしまいました。

Michel Berckmans (bassoon, oboe, English horn, melodica)
Univers Zeroだけでなく、Julverne, Aksak Maboul, Von Zamla, 故Lars Hollmerのソロなどの個人的にも大好きなヨーロッパの色々な不思議バンドに参加されてる方です。
バスーンとオーボエとEnglish horn(オーボエよりちょっと大きいアレがそうだよね?)を使い分けての演奏(まぁライブハウスでBassoonを見るのも初めてですが)やっぱりバスーンの響きが凄く独特で・・・あぁ本物のユニヴェルゼロなんだなーとか思いました。

Pierre Chevalier (keyboards)
スキンヘッドのイケメン鍵盤奏者です。Present(どうせなら一緒に来日してほしかった)の近作でも鍵盤奏者として活躍されてます。Presentの最近のアルバムも非常にテンションの高いので、Univers Zero好きで聴いたこと無い方は是非。強迫的な演奏という面に関してはUnivers Zeroより現在のPresentの方に軍配が上がるかも。
ストリングスっぽい音からチェンバロ、ピアノ音と自由自在に弾きこなしてました「Civic Circus」でのソロが格好良い。

Kurt Bude (clarinet, bass clarinet, sax)
クラリネットとバスクラとサックス、そしてMC担当。単純に演奏に参加してる時間だけならMichel Berckmansよりも多かったかも。
3回全部演奏した「Straight Edge」はこの方の曲です…あんまりUnivers Zeroっぽい曲だったから、Denisの曲かと思ってた。

Dimitri Evers (bass)
個人的にイメージしていたようなゴリゴリした低音を奏でる感じではなくて、かなりバランスの良い音量での演奏でした。というかこの先入観(チェンバーロック=重低音ベース)ってマグマとポチャカイテマルコによる個人的な刷り込みなのかも。

Martin Lauwers (violin)
バイオリン、細かな効果音的な演奏とか、気の狂ったよーなソロとか。この方もそうですが若手(っても年齢知らないけど)のメンバーの充実っぷりがヤバイ。

2012/02/11 是巨人 with 壷井彰久

初日のオープニングが「是巨人 with 壷井彰久」(MCでは壷巨人って言ってたけど)是巨人は何度も見てますが、実は壷井さん入りの編成は初めて。いつも通りキチガイみたいな曲を弾き倒してました・・・というか余りにこなれた演奏にちょっと引いちゃったかも。個人的にはこのバンドには演奏できるかできないかギリギリの辺りに倒錯した面白さを感じているので。

1. Arabesque
2. Lebanon
3. Nerve Cell
4. Freestone
5. Isotope

吉田達也 (drums)
鬼怒無月 (guitars)
ナスノミツル (bass)
壷井彰久 (violin)

2012/02/11 Univers Zero

そして遂にUnivers Zeroの登場。重々しいSE(コレがEarth Screamって曲みたい)の中メンバーが登場、Daniel Denisが出てくる所でまた拍手が。
木管x2+鍵盤+バイオリン+ベース+ドラムなんていう編成なのにきちんと各メンバーの音が凄くバランス良く聴こえてきて・・・PAはスタパの方みたいですが凄い聴きやすかったです。
「Vacillements」はClivage収録の弦と木管のみの短めの曲。コレはBude+Lawers+Berckmansの3人のみでの演奏。
Heatwave収録の「Bruit Dans Les Murs」なんかは元曲が結構エレクトリックな音だったので、この編成で聴くと随分印象が違います。Uzedの名曲「Presage」にはただただ圧倒されました。
「Retoure De Foire」は新譜の中で個人的に好きなポストクラシカルっぽい妖しいアンサンブルの曲。斉藤哲也ユニットやトウヤマタケオ辺りにも似てるよなーとか思ったり。
ラス曲はUnivers Zeroといえばこの曲!と思っているCeux du Dehorsの1曲目「Dense」 まさにチェンバー「ロック」だなと、ベースの強迫的なフレーズと狂ったようなバイオリンが・・・何というか、この曲を生で聴ける日が来るとは。
アンコールの「Toujours plus a l’Est」はCrawling Wind収録の曲。実はこのアルバム持ってないのですが(なんか未発表曲集と聞いてたので…)バルカン風のフレーズが印象的な凄い格好良い曲でした。

1. Earth Scream – Xenantaya (The Hard Quest)
2. Civic Circus (The Hard Quest)
3. Vacillements (Clivages)
4. Bruit Dans Les Murs (Heatwave)
5. Straight Edge (Clivages)
6. Presage (Uzed)
7. Retour De Foire (Clivages)
8. Dense (Ceux du Dehors)
9. Toujours plus a l’Est (Crawling Wind)

2012/02/12 Univers Zero (昼の部)

2日目。元々昼の部はパスするつもりだったのですが、当日券で来ちゃいました。
Berckmans曲の「Apesanteur」はこの回のみの演奏、短めの曲ですが跳ねまわるようなリズムが面白い。
Implosion収録の「Variations on Mellotronic’s Theme」もこの回のみ。この可愛らしいリズムはBerckmanの曲かと思ったのですが、この曲もDenisの曲みたい。Denisの曲なんだけどBude+Lawers+Berckmans+Chevalierでの演奏。昨日のVacillementsと一緒で室内楽コーナーかな?
「Les Poires Perdues」はBudeの曲でたぶんアルバム未収録と思います。所々に不安げな展開を含むゆったりとしたアンサンブルで・・・Zypressenという素晴らしいチェンバーロックのバンドがあるのですが、その唯一のアルバムの雰囲気にかなり似ていたと思います(ちょっと入手しずらいかもしれませんが、Univers Zero好きな方には凄くオススメです)
あとはBruit Dans Les Mursの前に初日は無かったDenisのドラムソロが追加。

1. Earth Scream – Presage (Uzed)
2. Xanantaya (The Hard Quest)
3. Les Poires Perdues (?)
4. Drum solo – Bruit Dans Les Murs (Heatwave)
5. Apesanteur (Clivages)
6. Straight Edge (Clivages)
7. Variations on Mellotronic’s Theme (Implosion)
8. Dense (Ceux du Dehors)
9. Toujours plus a l’Est (Crawling Wind)

2012/02/12 Electric Asturias

2日目夜の部ははElectric Asturias・・・どなたでしょう、こんな俺好みのブッキングをしたのは。
前日の壷巨人と同じく40分弱くらいの演奏、セッティングの関係でちょっと狭そうでしたが演奏は気合入ってました。聲無キ涙はいつもならCyber Transmissionへのメドレーで演奏するのですが、この日はショートバージョンでそのままDouble Helixへ。
時を支配する人々が良かったなーとか思いつつ、微妙に嗜好のズレそうなUnivers Zeroのお客さんにはどう聴こえたのか、ちょっと気になったり。3/31にまたStar Pine’s Cafeでワンマンライブが行われます。

1. 聲無キ涙
2. Double Helix
3. 時を支配する人々
4. Rogus

大山曜 (bass)
平田聡 (guitas)
テイセナ (violin)
川越好博 (keyboards)
田辺清貴 (drums)

2012/02/12 Univers Zero (夜の部)

そして最終公演。この回は結構チケットの番号が良かったので前の方で観戦。Denisさんのドラムの音圧が感じられて非常によい塩梅。
セットリスト的には「Civic Circus」と「Retoure de Foire」が復活して、長めの曲が多くなった感じ(たぶん一番長かったと思う)後半は「Bruit Dans Les Murs~Dense」と、最後までゴリゴリの曲が続くという暗黒面を強調した感じ。
アンコールに今までやってなかった「Cercles d’Horus」というClivagesの最後の重々しい曲。MAGMAのEmehntehtt-ReがFunehrarium Kanhtで終わるような感じか。違うか。

3公演見て、楽器編成は異常ですがやっぱりロックバンドなんだなあなんて事をぼんやり思いました。来日のライブ全公演制覇するなんて初めてだったのですが、やっぱ来てよかったと思います。アルバムだけ聴いてたのでは知ることのできなかったライブバンドのUnivers Zeroを観ることができて良かったです。招聘元のユニヴェルゼロ来日実行委員会の方々に感謝です。

1. Earth Scream – Presage (Uzed)
2. Xanantaya (The Hard Quest)
3. Les Poires Perdues (?)
4. Straight Edge (Clivages)
5. Retour De Foire (Clivages)
6. Drum solo – Bruit Dans Les Murs (Heatwave)
7. Civic Circus (The Hard Quest)
8. Dense (Ceux du Dehors)
9. Toujours plus a l’Est (Crawling Wind)
10.Les Cercles D’horus (Clivages)

2012/02/04 Acoustic Asturias @池袋シャロン・ゴスペル・チャーチ

アコースティックアストゥーリアス(以下アコアス)のライブを見に池袋へ。前回に続いて教会の中、ギター以外全部生音のライブです。

「柔らかな回廊」は筒井さんの新曲、何か奇数拍子のキメの連続みたいな曲で・・・音楽性は全然違うんですけどWATCHTOWERとゆープログレメタルを思い出したりしました。
後半セット一曲目終わった後ゲスト紹介する前にふらっとチェロの星衛さんがステージへ。以前もゲストで参加されてますが、ウードの佐藤圭一さんとの活動や、アコーディオンの熊坂るつこさん、インプロの演奏など、かなり色々な所で演奏されてる方です。
「冬」も初演。何か大学のホームページの音楽を依頼されて作った曲らしいです。ゆっくりしたテンポの静かめの曲。
「邂逅」では篠笛の演奏での参加。ライブで篠笛とゆーと一噌幸弘さんを思い出すのですが・・・折目正しいアコアスの演奏と、荒々しい篠笛はなんだか不思議な感じです。
アンコールでは3rdからチェロ主体の曲「Cryptogam Illusion」を演奏。前回の星さんゲストの時のライブに行けなかったので、コレは嬉しかった。最後に4人で「Legend」を演奏して終了。

そいえばライブ開始ギリギリで入ったのでアンケート用紙貰いそこねたのですが、MCで言ってたアコアスで演奏してほしい曲とか…うーん、個人的には「籠の鳥の孤独」をアコアス版で聴きたいな、あとはEgberto Gismontiのカバーなんてあると嬉しいかも。まだ先になるでしょうけど、次のアルバムも楽しみです。

次回のアコアスは未定らしいですが、来週はユニベルゼロ来日の前座でエレアスのライブ。3月は吉祥寺スターパインズカフェでエレアスのワンマンが有ります。

  1. WATARIDORI
  2. Global Network
  3. White Room
  4. 柔らかな回廊 (Corridoio molle)
  5. 凍てついた記憶
  6. ルカ組曲

  7. Marching Grass on The Hill
  8. Distance
  9. 邂逅
  10. Perpetual Motion
  11. 黄源の舞
  12. Rogus

  13. Cryptogam Illusion
  14. Legend
  • 大山曜 (gut guitar)
  • 筒井香織 (clarinet, recorder)
  • 川越好博 (piano)
  • テイセナ (violin)

  • 星衛 (cello on ‘Distance’, ‘冬’, ‘Cryptogam Illusion’)(篠笛 on ‘邂逅’)