先日のレコ発ライブで入手したElectric Asturiasの新譜「Fractals」についてアレコレ。メンバーにFLAT122の平田さん(現Stella Lee Jones)と田辺さんが入ると聞いてからずっと楽しみにしてました。
1曲目「Double Helix」たぶんこのアルバムの中で一番ややこしい曲。ちょっとサムラみたいな変態アンサンブルも有りつつ全体的にはメロディアスという曲。ちなみに山下洋輔トリオの1975年の名作「キアズマ」の1曲目も「Double Helix」ってタイトルだったりします(たぶん関係ない)「闇からの声」はちょっと昔のAsturiasをちょっとダークにした感じのイメージの曲、ギターとバイオリンの掛け合いが格好良い。1st~3rdはこんなインタープレイみたいな事は無かったので。ちょっと新鮮。
「Castle in the Mist」前半はアコアスで演奏してもおかしく無いような感じですが、ベースソロを挟んで後半ではギターの泣きメロが炸裂します。アルバム中一番長井10分近い曲。
「Moondawn」は「静かなるMoonSign」ってボーカル曲が元ネタですが、元ネタ知ってるとすっかりバンドサウンドに変わっているのが面白いです。中間部のジャズっぽいギターが平田さんっぽいかな?
「聲無キ涙~Cyber Transmission」は塵骸魔京の曲と3rdのCyber Transmissionを繋げた、というより融合させたような曲。ロングトーンのギターから入ってしっとりとしたバイオリンが重なって、プログレ演歌風かな?なんて思ってるといつの間にかCyber Transmissionに繋がってます。
ラストが「Return To Zero」というFate/Zeroのイメージアルバムに収録されてた3曲(The Berserker, The battle field, The Lancer)のエレアス版。
最後の「The Lancer」はFate/Zeroのイメージサントラ聴いた時、最初「カッコイイ!」と思って、次にこんなにプログレのイメージに近い曲を大山さんが作ったことにちょっとビックリしたものでした。以前のAsturiasも復活後のAcoustic Asturiasのイメージも「いわゆるプログレ」のイメージとはちょっと違うモノだったので…何かこう開き直ったような、プログレの緊張感と流れるよなメロディーの上手く組み合わさった曲だと思います。
あ、ちなみにFate/Zeroのイメージサントラはアコアスの筒井さんも3曲程参加してます。後半の組曲FATEのバンドアレンジと聴き比べてみるのも面白いかなと思います。
全体的に田辺さんの骨太ドラムと大山さんのドライブの掛かったベースが効いていて、思ってたよりもバンドの音になっています。「いわゆるプログレ」的なイメージを凝縮したようなアルバムですが、どのバンドの何かに似てるとかいう事も無く…まぁそのAsturiasのロックとしか表現できないのですが、そのような音です。
プログレな方は買って頂いて損することは無いと思います、というか古いのにしか興味の無い方も是非買いましょう。
しかし2006年のアコアスの「Marching Grass on the Hill」から2008年の多重録音「In Search of the Soul Trees」ついこないだの「Legend of Gold Wind」と、どのアルバムも充実した内容で…いやホント凄いなぁと。
1. Double Helix
2. 闇からの声
3. Castle in the Mist
4. Moondawn
5. 聲無キ涙~Cyber Transmission
6. 組曲FATE: i. 嘆きのフーガ
7. 組曲FATE: ii. アーガス最後の戦い
8. 組曲FATE: iii. The Lancer
大山曜 (bass)
平田聡 (guitars)
テイセナ (violin)
川越好博 (keyboards)
田辺清貴 (drums)