こないだの高円寺MISSION’Sで早速買ってきたAsturiasの新譜です。いやなんだかコレがもーかなり凄くって。
個人的な話、Asturiasは高校の頃かな?レンタルCD屋さんで「Circle in the Forest」を借りてハマって、3rdの「Cryptogam Illusion」が出た頃はリアルタイムで聴いてて・・・一応古いファンになるのかな?自分のページ見たフランス人の方に「自分はAsturiasのファンなんだが、Yoh Oyamaの連絡先を知らないか?」とかメールで聴かれたりとかして、Asturiasのサイト作ってるのがその方だと思うのですが、確かそれが6,7年前のことだったと思います。
で、多重録音でのAsturiasの新譜。#1-5,#6-10で2つの大曲に分かれるMike Oldfieldの初期3枚と同じ編成になってます。大山さん自身が「現代のTubular Bells」と言っているように、今までのどのアルバムよりも直接的にMike Oldfieldの影響を隠さない内容になっています。
んで、Mike Oldfieldのパクリみたいなアルバムなのかというと全然そうではなくて(というか、あんなアルバムをパクるなんて労力に見合わないことも無いと思いますし)一つ一つのパーツを試行錯誤しながら緻密に作っていったんだなと思わせるような、70年代のプログレの魅力を持ちつつも新しい音楽になってます。
ちょっと前に「Fate/Zero image soundtrack」ってアルバムが出ていて、その中の「The Lancer」って曲は今までのAsturias(っていうか大山さん)らしくもなく、吹っ切れたよーな格好良いプログレ曲で。今回はそれを上回るよーな物凄い密度のアルバムになってました。正直まさかここまでの内容だとは思ってなかったのですがー。
#1「sprits – 精霊の踊り」 緊張感のあるミニマムなフレーズからアコースティックな楽器が重なっていきます、この感じはAcoustic Asturiasでの経験が活かされてるのかな?Mellotronは新月の花本さん。そのままの流れで#2「revelation – 啓示」へ、ミニマルな流れからリズム体が入ってくるところが異様に格好よいです。
#3「reincarnation – 輪廻転生」 Flat122の平田さんによるギターが入っています。このアルバムでは新月の津田さんとLu7の栗田さんの3人の特徴的なギターの方がゲスト参加されてますが、それぞれ持ち味を発揮しつつも全体のパーツとして機能している感じが面白いです。
#4「fountain – 源流」 いやもうココは結構もろMike Oldfieldです。んで次曲に繋ぐ辺りはAsturiasっぽいメロディーだなと思います。
#5「woods – 迷いの森」 えと「Lamento」ってゲームの曲(コレのサントラも半分くらい大山さんが担当していて、結構面白いです)からです。ギターはLu7の栗原さん。Holdsworthっぽいギターと伊藤さんのバイオリンとの掛け合いが妖しい雰囲気で面白いです。
こっからが第二部、#6「pilgrimage – 巡礼」 シャマナシャマナとゆーゲームの曲(前作の「Lumisous Flower」もこのゲームで使われてたのが原曲)、確かにゲームでも使われてましたがアルバムのこの流れで聴くと全く違和感なく一つのピースとしてハマっていて。ギターは新月の津田さん、ロングトーンの気持ち良さは流石だなー。
#7「Paradise – 雲上の楽園」 ですけど、これ聞いて最初に思い出したのが「Anthony Phillip / Slow Dance」確かアレもA/B面一曲ずつのアルバムで、コレも凄い名盤だと個人的には思ってるのですが、あのアルバムの静謐ながらもエモーショナルな感じが感じがこの曲にも有って。
#8「storm – 嵐」 Asturiasとしはちょっと珍しい、畳み掛けるよなプログレ曲です。この曲だけでも2,3曲作れそうな密度です。
#9「soul trees – 木霊」 このアルバムのハイライト、10分を超えますが緊張感を保ったまま最後まで行きます。バイオリンは初期Acousitc Asturiasの北辻さん、この人の切れの有る演奏はやっぱりイイよなぁぁ。#10はこないだのライブでも聴きましたが津田さんばりのロングトーンのギターとピアノでアルバムを締めます。このギターが大山さんだとすると、Nitro+系のサントラで今まで「津田さんが弾いてんじゃねえの?」とか思ってたのは全部大山さんだった可能性が・・・
まぁその個人的には思わずほぼ全曲のコメントを書いちゃうくらいの内容でした。こないだのライブで「アルバム再現するには20人くらい集めなきゃならないので・・・」とか仰ってましたが、そんなの是非実現させて欲しいです。Mike Oldfieldもやってたし。
そうそう、ゲーム関係のサントラの話で。Acoustic Asturiasでも演奏されている「神の摂理に挑む者達」という曲(デモンベインとゆーNitro+のゲームが原曲)があるのですが、いとうかなこさんが歌っているボーカルバージョンが収録されたベストアルバムが12/10に発売されるみたいです。いやこのボーカルバージョンが凄く格好よくって。ちなみにこのアルバムの中では「籠の鳥の孤独(神樹の館)」「静かなるMoon sign(シャマナシャマナ)」「Heartbreaking Romance(破天荒遊戯)」とかも大山さん作曲だったりします。気になる方とかNitro+のゲーム好きな方(俺だ俺)は是非。